神奈川県秦野市、丹沢山系の麓で、有機農業をやっています。

玉ねぎ苗の定植

9月に種を播いた玉ねぎの苗を畑に植え付けています。一般的には、穴開きマルチと呼ばれる黒いビニールのフィルムを先に敷いてそこに植え付けるのですが、マルチの敷設と収穫後の撤去が大変で、また撤去しきれなかったフィルムの小片がいつまでも畑に残るのが嫌で、昨年からこれをやめました。

マルチを敷く理由は、植え付けた幼苗の根の部分を凍害や乾燥から保護するためですが、この目的なら、籾殻を敷き詰めても良いのではないかと、昨年からこれを実施し、比較的よい効果を得たため今シーズンも籾殻を敷き詰めます。

これは、「有機物マルチ」と呼ばれ、やがて微生物などによって分解されて土に還ってゆきます。その過程で作物にとって良い効果も期待できます(このあとご紹介)。

プラスチックの使用量も減らせて環境に優しい農業にまた一歩近づけるかなと。

 

一本一本手作業で植え付けてゆきます。写真上段は苗を植え付けたところ、下段は植床一面に籾殻を敷き詰めたところです。農家仲間の伝で籾殻を大量に譲っていただくことができます。

ブロッコリーを植え付けたときに有機物マルチの実験をしてみました。一方は、雑草を刈り取った残骸をブロッコリー苗の根本に敷き詰め、他方は、何も敷かずい比較してみました。

写真左側3列の草を敷いた方が生育がよい傾向にあります。

ブロッコリー根本の「草マルチ」をめくってみると、ブロッコリーの細かい根が草マルチ下に広がっています(白矢印)。また、写真では、確認しづらいのですが、草マルチの所々に白い繊維状のカビのような微生物が認められました。

根を広範囲に這わすことができることと、その根の廻りに豊富な微生物叢ができることによって、作物の生育が促進されたとも考えられます。

ビニールフィルムのマルチに比べて、撤去する手間が減り、作物の生育も促進され、さらに環境に優しいという一石三鳥の「有機物マルチ」、なかなか良いです。

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